Webサイト制作における見積りを考える勉強会について

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WordBench神戸勉強会にて、WordPressを使ったサイトの見積りを行うというハンズオン形式の勉強会が行われ、その後の主催者によるエントリーが話題にでてきていた。

WordPressサイトを構築するといくらかかる? 見積り勉強会で価格を出してみた | WordBench

しかし、そのエントリーを読んでも、モヤモヤしたものが残る感じがしていた。

読んだときはそのモヤモヤが何なのか、自分でもうまくつかめなかったのですが、とりあえず自分の主催しているSaCSSの勉強会で、同様の内容をやってみるかどうかについてを考えてみた。

SaCSSの勉強会で金額を出す形式の内容を行うかどうか

WordBench神戸勉強会で行われた内容は下記のような内容だったようです

第30回 WordBench神戸勉強会 WordPressサイトを見積もってよ! - WordBench神戸 | Doorkeeper

ゴール地点がどこかは明確ではないですが、時間の最後には「WordBench神戸を代表する見積りを1つ選出する。」時間があったようなので、おそらくこれがその回のゴールかと。

これらを踏まえてのSaCSSでやるかどうか、僕個人の結論は No である。

Noと考えた理由としては、金額を出してみて、それを参加者もしくは主催などが良し悪しを考えるということに、学ぶことが薄いと考えたからである。過程は学べても、解をどうするかが出せない、出せれたとしても、項目やそれの金額の良し悪しを考えるということが目的になると、結局その場での偏りにしかならないと思ったからだ。

制作の見積りで必要な項目をだして、それに対して金額を出すという内容であれば、自分の手の内を晒すことになるにしろ、熱く話ができるだろうとは思います。しかし、その場合はあくまでも自分たちならこうするという、見積りの項目とそれに対する費用をがいくらかというのを披露することが目的になる。つまり、うちならいくらで出来ますといういわゆるアピールにつながる目的であれば、検討の余地はありそうだという考えでいる。

単純に高い・安いだけでなく、高いには高いなりの理由が、安いには安いなりのあるのだという、ポイントを伝えることができる内容にも繋げられるからだ。発表を聞く側の人は、それを参考に今後の見積りに取り込むところはとりこみ、改善できるところは改善するということに繋げられる。

というようなSaCSSではやらないなーという結論をFacebookに書いて、とりあえず自分の中ではそれはそれで消化していたつもりでいたのだけど、結局もやもやが少しのこっていた。

内容を否定しているのではなくて、コメントにも、自分と同じような考え方のかたがいたのだけど、内容自体はとても有意義だと思う。ただ、目的が見積りの統一とか、この金額がいいというのを出すのだと意味が薄いだろうなという意見である。

札幌にいる、自分たちならこの価格でやるぜ!という披露の勉強会というかディスカッションならやってみてもいいかなーと思っていた。

と、そんなことを書いている時に、そのもやもやの正体、それはもうひとつのエントリーを読んで気がついた。

もやもやの正体

WordPressの見積り勉強会を終えて、運営の一人として思うこと うえむ日記 - トヤヲ.ネット

このエントリーを読んで、ようやく自分の中でのもやもやが分かった。

WordBench神戸の主催者の考えでは「Web制作における相場が必要」という考えが前提にあったことが、僕のもやもやの正体だったようだ。

ここで必要とされている「Web制作における相場」とは?

必要なのは各社の標準的な定価(もしくは価格水準)だと思う

私の中のもやもやの根源は、相場というものがあたかも社会全体で統一のものが利用される的なところに、この運営者がよってしまっているのではないか?と思える内容を書いているからだと思う。

しかし、そういうものって世の中にどれだけあるのか?ざっと考えて、相場はこれくらいとパッといえるようなものが僕の中にはなかった。

たとえば、先のエントリーのコメントにかかれていた、缶ジュース120円。

「缶ジュースの値段は一般的にはいくらですか?」と聞くとほとんどの人は「120円」と答えるでしょう。

これは相場でもなんでもなくて、各メーカーの定価。安く売っているところはもっと安い。そもそもサイズの明記もないのに120円ってのもでてこない。

相場ではなければ、必要になることはなにか?おそらく各社の定価だと思う。

各社とかいたのには、その定価は各社のサービスやら品質やらなにやらで変わってくるものだと思うからである。

追記にあった下記も同じ

例えば、「電車の初乗り運賃はいくらですか?」という質問をしたとします。 実際に実験したわけではありませんが、誰に聞いてもだいたい100円〜200円くらいの幅で回答してくると思います。 僕はこれが相場だと思っています。

これも相場じゃなくて、単純にそれぞれのJRxxxとかが決めた定価なんですよね。

というか、この方が必要としている前提というものがそもそも明確じゃなくて

Webサイトの制作価格は、前提によって価格が大きく変わってきます。 念のためですが、あくまで一般的なWebサイトの価格の話をしています。

一般的なWebサイトが定義されていないから今回のようにいろいろと思われてしまうわけでして、ね。

・「コンテンツ量がとても多いサイト」 ・「高トラフィックに耐える必要があるサイト」 ・「特殊な要件が入っているサイト」 などの話は別です。それはクルマの例えで言うと普及車ではなく、スーパーカーやバスの話になります。 僕は、今回の勉強会の歯医者さんの架空案件は「普及車」にあたる一般的なWebサイトだと思っています。 (これも人によって捉え方が違うかも知れませんが)

なんというか、勉強会でやって、実のある回にするためには?をかんがえ、さらにはこのもやもやを払拭するような解をだそうと自分なりにもかんがえていたのですが、真剣に考えた自分が間違いだっただったなーと思うようなことがあとからあとから書かれていて、正直残念です。

相場相場っていっているのに、普通じゃないところの相場は別の話って言われてしまえば、もうこの話をこれ以上するのは意味が無いですね。残念です。

どのような勉強会内容なら実になるか

駄目だ駄目だ言ってもしょうがないので、では、どのような内容なら実になるのかを考えたいと思います。

が、扱おうとしている題材がそもそも広範囲なので、もう少し考えた上で、またこの話について、あらためて出そうと思います。

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